気分を落ち込ませよう!湿っぽいアニソン・ゲーソン特集
皆さん、湿っぽいアニソンやゲーソン、聴いてますか?
僕は北陸の富山という年中曇ってるような湿っぽい地域で生まれ育ったこともあり、昔から湿り気を帯びた音楽を好む傾向にありました。
以前作ってから都度曲を追加している「湿っぽいアニソン・ゲーソン」プレイリストもそれなりの曲数になったので、その中から適当に何曲か選んで語っていこうかなと思います。
↓ちなみにSpotifyのプレイリストはこれ
www.youtube.comTVアニメーション『Sola』EDテーマ。
『Sola』は『Kanon』でも有名な久弥直樹氏原案なだけあって泣きゲーにも近い湿っぽさを持った作品なんですが、EDテーマである本曲も見事に作品の空気感を表現した湿っぽい名曲に仕上がっています。
今となってはアラサー以上のアニメファンくらいしか知らないであろう『Sola』ですが、思い出補正もあるにせよ00年代の空気感が詰まった隠れた名作だと個人的には思っています。
この曲にしろアニメ本編にしろサブスクに全然無いのが惜しい…。
・ASCA - 雲雀
www.youtube.comTVアニメ『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車- Grace note』EDテーマ。
梶浦由記さん作曲ですが、派手さは無く抑揚の効いた梶浦節を楽しめる曲。
ASCAさんの歌い方にしてもストリングスを始めとしたバックの演奏にしても、一種の儚さすら感じさせる美しさがあって、一聴して好きになった曲でした。
余談ですが、特別似ている訳ではないけど自分の中ではRainbowのアルバム『Long Live Rock 'n' Roll』のトリを飾る名曲『Rainbow Eyes』とイメージ的に被る部分もあります。
www.youtube.com↑こちらはよりディープに湿っぽい名曲。「刀折れ矢尽きて……」という気分の時に聴くと一番沁みる(そうそうない)。
www.youtube.comTVアニメ『ゼーガペイン』EDテーマ。
まず『ゼーガペイン』がロボットアニメと言うかSFアニメの名作なんですが、視聴時はストーリーが進展していくにつれこのEDテーマがより存在感を示すようになっていった印象でした。
サビの”キスしてグッバイ”というストレートな歌詞も、アニメを観た後だとその切実さが伝わるかと思います。
ROCKY CHACKについて話すと、本曲を皮切りにアニメとタイアップした全3曲は全て名曲です(残り2曲はそれぞれ『狼と香辛料』1&2期EDテーマ)。
作曲はメンバーですが編曲は全て保刈久明氏。新居昭乃さんとの活動で知っている人もいるのではないかなと思います。
ちなみにアニソンアーティストとしてのROCKY CHACKは男女2人組ですが、それ以前はバンド形態として活動していました。
www.youtube.comこの頃は男性の山下氏がメインヴォーカルで、全体としてやや垢抜けなさはあるものの結構良いんですよね。サブスクにも無いんで聴く上での難易度は少し高いですが、気になる人は聴いてみて損は無いと思います(僕は図書館にたまたまあったんで借りて聴きました。)
・田中理恵 - ニンギョヒメ
www.youtube.comTVアニメ『ちょびっツ』EDテーマ。
作品の方には全然触れたことが無いんですがCLAMP原作らしく、作詞もCLAMPのメンバーが担当しています。それでもって作曲は新居昭乃さん。新居さんは後に本曲のタイトルと歌詞を差し替えたセルフカバー『サリーのビー玉』をリリースしています。
www.youtube.com↑先に聴いたのはこちらが先でした。
言うなれば『セーラー服と機関銃』と『夢の途中』の関係と似たようなものでしょうか(老人向け例え)。
正直どちらの方が好きかと言われると長年聴いてきた思い入れも含め『サリーのビー玉』に軍配が上がるんですが、田中理恵さんのバージョンも湿っぽくてとても良いと思います。
・糸奇はな - 環-cycle-
www.youtube.comTVアニメ『魔法使いの嫁』EDテーマ。
本曲で特筆すべきは何よりも作曲者の吉良知彦氏のことでしょうか。
ZABADAKでの活動で知られた吉良さんですが、残念ながら2016年に亡くなられています。で、その吉良さんの未発表曲の中から『魔法使いの嫁』にふさわしいものとして選ばれたのが本曲です。
未発表曲とはいえ完成度は極めて高く、糸奇さんの歌声も曲の世界観にカッチリハマってます。
惜しむらくは「吉良さんが生きていたら『旅の途中』のようにあの美声コーラスが聴けただろうな…」と思ってしまう点ですかね。本当に惜しい人を亡くしました。
www.youtube.com↑吉良さんの美声コーラスを堪能できる名曲。ZABADAKでセルフカバーもされてます。
・種ともこ - Broken Wings
www.youtube.comTVアニメ『トリニティ・ブラッド』EDテーマ。
アニメは観てないし種ともこさんのこともあまり知らないので語れることがない…でも00年代特有の空気感漂う湿っぽい名曲です。歌詞が英語なのもかっこいい(中学生)。
・Steve Conte - Words That We Couldn't Say
www.youtube.comTVアニメ『COWBOY BEBOP』サウンドトラック『COWBOY BEBOP O.S.T.3 "BLUE"』収録。
本編では使われてなかった…かな?(うろ覚え)。
COWBOY BEBOPについては語るまでもなく、音楽もマジで名曲の宝庫なんですが、湿っぽい曲ということでこれを選びました。
ヴォーカルをとってるスティーブ・コンテさんはソロ活動もしてるしニューヨーク・ドールズのギタリストもやってたりする人なんですが、聴けば分かる通りハスキーなグッドヴォイスの持ち主で、菅野よう子さんが目を付けたのもよく分かります。
因みに湿っぽいとか抜きにすると『CALL ME CALL ME』がスティーブ・コンテさん歌唱曲で一番好きです。
www.youtube.com使われたシーンも含めてネ申としか言いようがない…
・amiko - Silence (voice)
www.youtube.comスマートフォンアプリ『ALTER EGO』ED曲。
『ALTER EGO』と言えば2019年頃流行ったゲームアプリですが、僕も当時は実際にプレイしたのは勿論のこと、文フリに行って関連書籍を買ったりLINEスタンプを買ったり高尾山に登ったり(LINEスタンプの中に「高尾山登るぞ」という謎スタンプ(キャラデザを担当されたいとうさんのツイートが元ネタらしい)があった)と中々のハマりようでした。
で、『ALTER EGO』には色々と魅力があるんですが、その内の一つがamikoさんが担当しているゲーム内音楽。空間を揺蕩うような歌声とピアノは、ゲームの哲学的、文学的な空気感を形作る上である種一番大きな役割を果たしていたように思います。
プレイヤー自身である"旅人"を除くとゲーム中に登場するただ一人の人間のキャラである"エス"。彼女との交流の果てに辿り着くEDで流れるこの曲は、ゲームの余韻に浸る上でこれ以上ない、静謐な中にもどこか温かみのある曲でした。
ちなみにゲームの方は「思索的な読書習慣」コミュ(ハヤカワ文庫とのコラボで、ハヤカワ文庫のSF小説から選ばれた数冊の本をエスから借り、読み終わったら感想を話し合うというやつ)をまだ全部見れてない(ちゃんと読み終わってから見たい為)ので、早く全部見て(全部読んで)全クリしたいです。頑張るぞ~!
www.youtube.comPCゲーム『沙耶の唄』EDテーマ。
"究極の純愛ゲー"として知られる『沙耶の唄』ですが、今までプレイしたことは無く、この曲を聴いたのも去年の12月が最初でした。
そもそも聴くきっかけになったのは、鬱ゲー、電波ゲーとして一部で有名な『さよならを教えて ~comment te dire adieu~-』の主題歌が知らぬ間にサブスクに上がってないかなとSpotifyで検索した際、Spotifyくんが「少しでも近いものを…」というサービス精神?でこの曲を候補に挙げてきたから、というものでした(『沙耶の唄』とさよ教は鬱ゲーとかそういう括りで並んで語られることが多い)。
で、試しに聴いてみるとディープで湿っぽい、"究極の純愛ゲー"のEDを飾るに相応しそうな(実際のところは未プレイなんで分かりませんが)名曲で、暫くはヘビロテしていました。
改めて聴くと、初っ端風音から始まるというのはザ・スミスの名曲『Asleep』を思い出しますね。
やはり曲が良いとゲームの方もやってみたくなるもので、その内プレイしてみたいです。
www.youtube.com↑聴きたかったけどSpotifyに無かったやつ。こちらも超名曲だけど"湿っぽい"とかそういうのを超越したところにある曲のように感じる。
・Silver Fins - Waiting So Long
www.youtube.comTVアニメ『剣風伝奇ベルセルク』EDテーマ。
ベルセルクと言えば平沢進さんの音楽をイメージする人が多いと思うんですが、実は90年代に放送された『剣風伝奇ベルセルク』では、劇中の音楽こそ平沢さんなものの、OPEDはそれぞれ当時のUSオルタナっぽい雰囲気を持つ日本のバンドがそれぞれ担当していました。
で、OPのPENPALSの楽曲は正直アニメに合ってるかと言われると……という感じだったんですが(楽曲そのものはそんな嫌いじゃない)、EDのSilver Finsのこの曲は、独特の気怠い雰囲気が不思議と作品にマッチしていて好きでした。
・Bôa - Duvet (Acoustic)
www.youtube.comTVアニメ『serial experiments lain』OPテーマ。
『serial experiments lain』と言えばアニオタやサブカルの人間の間ではそれなりに知られた作品だと思いますし、OP曲の『Duvet』もそれに準じた知名度はあると思います。
で、オリジナルでも一定の湿り気はあるんですが、よりウェットなバージョンということでアコースティックVer.をチョイスしました。
Bôaについて話すと、韓国出身の女性歌手……ではなくUK出身のロックバンドなんですが、ヴォーカルとギターはフリーやバッド・カンパニー、クイーンとのコラボ等でも知られるポール・ロジャースの実子だったりします。
ただ、ハードロック畑の人間と呼んでいいポール・ロジャースとは違い、Bôaの音楽性は90年代後半当時の時流に即しているとも言えるオルタナティヴ・ロックでした。
なので当時のUKオルタナが好きな人ならアルバムの方も聴いて損は無いと思います。
・Gabriela Robin - some other time
www.youtube.comTVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』サウンドトラック収録。
菅野よう子さん関連2つ目。カウビと同じくらい名曲で溢れてる攻殻S.A.C.から。
ただこちらは菅野さん本人が歌っています(Gabriela Robinは菅野さんが自分で歌う際に使う変名)。
それでもってこちらも本編では使われてなかった…はず(DVDに特典として収録されてたスタッフインタビューの最後に流れてた記憶はある)。
菅野さんの手がけてるサントラにはそういう本編では流れなかった名曲がゴロゴロ入ってたりしていつも驚きます。
www.youtube.com↑勝手になんとなく似た雰囲気を持ってるような気がしてる曲。繰り返されるアルペジオと呟くようなヴォーカルのAメロから、一気に開けるサビという展開がなんとなく似てるような気がしないでもない。
・湊大瀬 - 雪解
www.youtube.com超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』湊大瀬キャラソング。
『雪解』(ゆきげ)と読みます(暫くはずっと「ゆきどけ」と読んでた)。
『カリスマ』は去年オモコロの記事キッカケで一時期齧っていて、と言ってもYouTubeに上がってるストーリー動画の一部と全員歌唱の楽曲PVを観た程度でした。
omocoro.jp↑知るキッカケになったオモコロ記事
で、去年アルバムも出たものの、各々のキャラのキャラソンにはそこまで興味も持てずスルーしてたんですが、最近になって何とはなしに聴いてみると、この湊大瀬さんの曲がとても良い湿っぽさを持ってて結構刺さったんですね。
本来ならヴォーカルに掛かってるオートチューンは苦手なんですが、「湊大瀬さんは度を越えて自己肯定感の低い"内罰のカリスマ"なので、きっと自分の素の歌声も嫌いなのだろうな…」と生半可なキャラ解釈に基づいて聴いてみると不思議と抵抗感が無くなりました(チョロ耳)。歌詞も死を連想させるもので湿っぽくて良きですね。
……ということでつらつらと湿っぽいアニソン・ゲーソンについて書いていきましたが……よくよく聴いてみると言うほど湿っぽくない曲もあるような気がしてきました。まあせっかく書いたんでヨシ!とさせて下さい(現場猫)。
あと『雪解』は冷静に考えるとアニソンでもゲーソンでも無いですが2次元コンテンツの楽曲ということで一つ大目に見て下さい。
本当ならアイマスの湿っぽい曲とか、それ以外にも色々書きたい曲はあったんですがとりあえず今回はここまでにしときます。
また気が向いたら書こうと思います、それでは。